ブルゴス → オルニージョス・デル・カミーノ
カミーノ14日目。
晴れ。朝から雲がない青空。
朝から暑くなるのが早かった。
今日は、ブルゴスからオルニージョス・デル・カミーノまで20.5km歩いた。
ブルゴスからは、その先のオンタナスまで行く人も多い。
そうなると約30kmの道程。
どうするか。
オルニージョス・デル・カミーノはアルベルゲの数が少ない。
11:00までにオルニージョス・デル・カミーノに着いたらオンタナスまで、
11:00までに着けなければ、そこで一泊すると決めて歩き出した。
ブルゴス出発は06:48、オルニージョス・デル・カミーノ到着は11:36だった。
結果、今日はオルニージョス・デル・カミーノまでになった。
小さい村だと見るところもないし、早く着いた分休養だ〜!
朝ごはんに、アルベルゲの自販機でパンを買い、食べてから出発。
もう一泊する(アルベルゲには連泊できないので、違うアルベルゲに)スティーブンさんが、気をつけて、またすぐ会おうとハグしてくれた。
朝日を浴びるカテドラルにさよならして、歩き出す。
今朝は涼しくない。
ひとりで歩きながら街を出る。
大きな街は出る時に少し迷うことがある。
大抵大丈夫なんだけど、今朝は前のふたりが戻ってきて、
「道が違う」と言う。
私を含め5、6人で数十m戻ると、地元の女性が斜めの方向を指し、
「こっちに真っ直ぐよ!」(スペイン語だから多分)と教えてくれた。
ちゃんと見たら、黄色い矢印あった。。
顔なじみと挨拶をしながら、鉄塔の写真を撮る。
鉄塔。
いいねぇ。
ひとりで歩きながら考える。
スティーブンさんと話したこと。
昨夜スティーブンさんと話したことで、すべてがクリアになったことがあった。
答えはシンプルだった。
とてもスッキリした気持ちになった。
歩いていると、歩き方やペース、休憩を取るのか取らないのか、
人とのコミュニケーション、ずっと話しながら歩くのか、挨拶だけなのか、ペースを誰かに合わせるのか。
カミーノを歩いていて、自分が生きてきた36年間のパターンや癖が、そのまま反映されていることに気がついた。
おもしろい。
先人がよく言ってきたあれだ。
「人生は道。生きることは歩くこと」
ブルゴスでは2泊する人も多いので、ここからまた顔ぶれが少し変わってきた。
小さな村を2つ通過した時点で、
「お、これはオンタナスまで行けるかも?」
と思った。
が、そこから8kmちょっと。
坂道を上がり下がり、地面は真っ白な道。
青空はとても綺麗だけど、後ろからの日差し攻撃。
ヨーロピアンの人は、結構肌が赤くなっている人も多かった。
日差し強ー!
跳ね返しも強ー!!!
気温が何度かと聞かれると、東京よりは低いと思う。
けど日差しが…
途中の教会で、旅の無事を祈ってもらった。
1人ずつ、わかる言語(英語かスペイン語かな)で祈ってくれる。
最後の下り坂に差し掛かる。
この時点で11:00。
今日は決めてあったから。
もう少し行けちゃうんじゃない?といつもなら先へ行ってしまうかもしれないが、
11:00までに到着しなかったんだから、今日はオンタナスへ行かない。
自分との約束を守る。
もうちょっと、あとちょっととなりがちな自分の癖を脱却!
オルニージョス・デル・カミーノに到着!
小さな村なので、矢印に沿って歩いて行くと、3つのアルベルゲと、小さな小さなお店、
通りの脇で休憩しているペリグリーノたち。
今日は少人数のアルベルゲにしようと決めていた。
アルベルゲはすぐ見つかったけど、さすがにこんな時間ではまだオープンしていないと思ったら、
2分ぐらい待っただけで入れてもらえた!
なんて早いチェックイン。
とりあえず荷物だけ置いて、隣の小さな小さなお店に買い物へ。
その前で、昨日のメキシコ人の人が休憩していたので、一緒に乾杯。
今日はもう一つ先の村まで行くらしい。(オンタナスの手前。アルベルゲが一つしかない)
ここで休んでいる人たちは先を目指す。
しばらくアルベルゲの前に座って休息。
日本人の女の子が来た。
何度か会い、何度か話したことがある。
14:00に公営のアルベルゲの受付が始まると言うので、それまでおしゃべり。
1時間以上話した。
通りすぎる人に「Buen Camino!」と言って手を振る。
その後、いつもの日課のシャワーと洗濯。
日差しが強いので、よく乾く。やっと!
買い物がてら散策に行こうとアルベルゲを出ると、日本人の女の子にまた会った。
公営のアルベルゲが満室で入れず、向かいのアルベルゲに入ったらしい。
せっかくだからと、店で(唯一の店だった!)でっかいサンドイッチと飲み物を買い、乾杯。
さっきと同じ場所。
日差しが強い通りの脇の、日陰は涼しい。
青空だし、歩いた後だし、シャワーの後だし、
ビール(と言う名のジュース)がうまい!!
2時間ぐらい話している間に、すべてのアルベルゲが満室になり、入れなかった人がタクシーで次の村へ向かったりした。
スビリでの自分を見ているようだ。
夕食希望者は、みんなでテーブルを囲み、パエリアを食べられるアルベルゲだったけど、今日は頼まず。
さっき大きすぎて食べきれなかったサンドイッチのハムと、数日前のマッシュルームの残り(そろそろやばい)を炒めて、またパンに挟んだ。
さっきより美味しい。
今日3度目の乾杯。
大きなテーブルで食べていると、本を読んでいた向かいの女性が話しかけてくれた。
彼女はドイツの人で、カミーノは4度目だそうだ。
1度目は2015年、レオンからサンティアゴ・デ・コンポステラまで。(最後のパート)
2度目は翌年、ポルトガルのポルトからサンティアゴ・デ・コンポステラまで。
3度目は、ログローニョからレオンまで。
そして今回は、パンプローナからサンティアゴ・デ・コンポステラまで。
だそうだ。3週間の休暇で歩いているらしい。
(カミーノは一気に歩かなくてもいい。最後の100kmを歩けば、証明書がもらえる)
どのパートが一番良かったかと聞くと、
「最初に歩いた時に大好きになってしまった」(妙訳)
そうだ。
私も7年前にサンティアゴ・デ・コンポステラに行って大好きになった。
なぜカミーノへ来たのか聞かれた時に、今までで一番上手く説明できたのは、きっと今朝気持ちがスッキリしていたから。
明日はまた20km!
でも今日より暑いらしい!
今日のように楽しく歩けますように!